「〇〇kg痩せる！」 ダイエットを始める時、多くの人がまず体重という具体的な数値を目標に設定します。確かに、体重はダイエットの成果を測る分かりやすい指標の一つですが、目標を体重だけに置いてしまうと、かえってダイエットが長続きしなかったり、不健康な痩せ方をしてしまったりする可能性があります。
今回は、なぜ体重だけを目標にするとダイエットが失敗しやすいのか、その理由と、より健康的で成功しやすい目標設定の考え方について解説します。
体重だけが目標になると陥りやすい落とし穴
体重という数値目標に固執してしまうと、以下のような問題が起こりやすくなります。
- 短期的な結果に一喜一憂し、モチベーションが低下しやすい:体重は、食事の内容や水分量の変化などによって日々変動します。目標体重に近づいたと思ったら翌日には戻っていたり、停滞期に入ってなかなか減らなかったりすると、「頑張っているのに…」とモチベーションが低下し、挫折に繋がりやすくなります。
- 不健康な手段に頼りがちになる:「とにかく早く体重を減らしたい」という焦りから、極端な食事制限、下剤の使用、過度な運動など、体に負担のかかる不健康な手段に手を出しやすくなります。これらの方法は、一時的に体重が減ることはあっても、リバウンドのリスクが高く、健康を害する可能性もあります。
- 筋肉量の変化を見落としてしまう:ダイエットの目的は、単に体重を減らすことではなく、体脂肪を減らし、健康的で引き締まった体を手に入れることです。しかし、体重だけを目標にしていると、脂肪が減って筋肉が増えていても、体重が変わらない、あるいは一時的に増える場合に、ダイエットがうまくいっていないと誤解してしまうことがあります。筋肉は基礎代謝を上げる重要な組織なので、筋肉量の減少はリバウンドしやすい体を作る原因になります。
- 精神的なストレスを感じやすい:常に体重計の数値に一喜一憂し、目標体重に達しないことへの焦りや不安を感じやすくなります。ダイエットがストレスになると、精神的な負担が大きくなり、食行動の乱れにも繋がりかねません。
- 見た目の変化や体調の変化を見過ごしてしまう:体重が減ったとしても、見た目が変わっていなかったり、体調が悪くなったりする場合もあります。体重という数値ばかりに気を取られていると、そうした重要な変化を見過ごしてしまう可能性があります。
体重以外の「本当に目指すべき目標」とは？
ダイエットを成功させるためには、体重だけでなく、以下のような多角的な目標を設定することが大切です。
- 体脂肪率: 体重に占める脂肪の割合です。体脂肪率が減ることは、見た目の変化に直結し、生活習慣病のリスク低減にも繋がります。
- ウエストサイズやヒップサイズなどのサイズ変化: 体のラインの変化は、モチベーション維持に繋がりやすく、ダイエットの成果を実感しやすい指標です。
- 体組成の変化（筋肉量、骨量など）: 体重だけでなく、筋肉量が増えているか、体脂肪量が減っているかなど、体の内部の変化を把握することで、より健康的なダイエットが進められます。
- 健康診断の数値の改善: 血糖値、血圧、コレステロール値など、健康診断の数値の改善は、ダイエットの健康効果を具体的に示すものです。
- 体力や運動能力の向上: 運動を取り入れたダイエットであれば、体力の向上や、以前できなかったことができるようになるなど、具体的な変化を目標にするのも良いでしょう。
- 食習慣や生活習慣の改善: バランスの取れた食事を 決まった時間に 摂れるようになった、睡眠時間が確保できるようになったなど、健康的な習慣の定着を目標にするのも、長期的な成功に繋がります。
- 見た目の変化（自己肯定感の向上）: 「以前着られなかった服が着られるようになった」「鏡を見るのが楽しくなった」など、見た目の変化や自己肯定感の向上も、非常に重要な目標です。
目標設定のポイント
これらの目標を設定する際には、以下のポイントを意識しましょう。
- 具体的であること: 「体脂肪率を3%減らす」「ウエストを5cm細くする」など、具体的な数値で示すと、達成度が分かりやすくなります。
- 測定可能であること: 定期的に体組成計で測定したり、メジャーでサイズを測ったりするなど、客観的に評価できる目標を設定しましょう。
- 達成可能であること: 無理な目標設定は挫折の原因になります。自分のペースに合わせて、少しずつ達成できる目標を設定しましょう。
- 関連性があること: 目指す体重や体型と関連性の高い目標を設定しましょう。
- 期限を設定すること: いつまでに目標を達成したいか、具体的な期限を設定することで、計画的に取り組むことができます。
まとめ：数値に囚われず、「健康的な変化」を目標に
体重はあくまでダイエットの指標の一つであり、それだけに囚われると、本質を見失い、不健康なダイエットに陥りやすいものです。
体脂肪率、サイズ、体組成、健康状態、生活習慣など、多角的な視点から「健康的な変化」を目標に設定し、長期的な視点でダイエットに取り組むことが、成功への近道となるでしょう。体重計の数値に一喜一憂するのではなく、体全体の健康と美しさを目指して、楽しくダイエットを続けましょう。
コメント