健康やダイエットに良いイメージが強いスムージーですが、「実は血糖値が上がりやすい」という話を聞いたことはありませんか?特に、ダイエット中に血糖値の急上昇は避けたいところ。
今回は、スムージーが血糖値を上げやすいと言われる理由と、血糖値を穏やかに保ちながらスムージーを楽しむための賢い飲み方について解説します。
スムージーが血糖値を上げやすいと言われる理由
スムージーは、野菜や果物をミキサーにかけることで、繊維が細かくなり、ドロドロとした液状になります。この「液状であること」が、血糖値上昇に影響を与える主な理由です。
- 消化吸収が早い:固形物を食べる場合と異なり、スムージーは咀嚼(そしゃく)のプロセスがほとんど不要です。そのため、胃での消化が早く、小腸での栄養吸収もスムーズに進みます。特に果物の糖質は、吸収が早いため、血糖値が急激に上昇しやすくなります。
- 食物繊維が細かくなる:野菜や果物に含まれる食物繊維は、血糖値の急上昇を抑える重要な役割を果たします。しかし、ミキサーにかけることで食物繊維が非常に細かく粉砕され、その働きが弱まる可能性があります。特に、水溶性食物繊維の一部は、ミキサーによって破壊されることもあります。
- 果物の過剰摂取になりがち:手軽に美味しく飲めるため、ついつい複数の果物をたくさん入れてしまいがちです。果物にはビタミンやミネラルが豊富ですが、果糖という糖質も含まれています。複数の果物を大量に入れると、知らず知らずのうちに糖質の摂取量が過剰になり、血糖値が上がりやすくなります。

血糖値を穏やかに保つ!賢いスムージーの飲み方
スムージーは、栄養補給や腸活にも役立つ便利な飲み物です。少しの工夫で、血糖値の上昇を抑えながら、その恩恵を最大限に享受することができます。
- 野菜を主役に、果物は控えめに:小松菜、ほうれん草、ケールなどの葉物野菜をベースにし、果物の量は控えめにしましょう。果物の目安は1人分で片手一杯程度がおすすめです。ベリー類や柑橘類など、GI値が比較的低い果物を選ぶのも良いでしょう。
- 食物繊維を意識してプラスする:ミキサーで食物繊維が細かくなる分を補うために、追加で食物繊維源をプラスしましょう。
- チアシード、亜麻仁シード: 水分を含むと膨らみ、とろみがつくことで満腹感も増します。
- オートミール: 少量加えることで、食物繊維と同時に腹持ちも良くなります。
- きな粉: 大豆の食物繊維とタンパク質を同時に摂取できます。
- タンパク質源を加える:タンパク質は糖質の吸収を緩やかにし、血糖値の急上昇を抑える効果があります。また、満腹感を持続させるため、ダイエットにも効果的です。
- プロテインパウダー: 手軽に高タンパク質を補給できます。
- 無糖ヨーグルト、豆乳: タンパク質だけでなく、乳酸菌やイソフラボンも摂取できます。
- 良質な脂質を少量加える:脂質は消化吸収を遅らせ、血糖値の上昇を緩やかにする効果があります。
- MCTオイル、ココナッツオイル: エネルギーになりやすい中鎖脂肪酸です。
- アボカド: 良質な不飽和脂肪酸と食物繊維が豊富です。
- 飲むタイミングと速度に注意:
- 食前または食事と一緒に: 食事の最初に食物繊維を多く含むスムージーを飲むことで、その後の食事による血糖値の上昇を緩やかにする「ベジファースト」効果が期待できます。
- ゆっくりと飲む: 一気に飲まず、時間をかけてゆっくり飲むことで、胃への負担も減り、血糖値の急上昇も抑えられます。
- 甘味料は使わないか、天然のものを少量に:砂糖、はちみつ、アガベシロップなどは、糖質が多いため注意が必要です。どうしても甘みが欲しい場合は、少量のステビアや羅漢果などの天然甘味料を検討しましょう。

まとめ:スムージーは「賢く」楽しむことが大切
スムージーは、手軽に栄養を摂取できる便利な方法ですが、材料の選び方や飲み方を間違えると、血糖値を上げやすい飲み物になってしまう可能性があります。
血糖値を意識しながらスムージーを楽しむためには、野菜を主役に、果物を控えめにし、食物繊維やタンパク質、良質な脂質をプラスするなどの工夫が大切です。賢くスムージーを取り入れて、健康的な血糖コントロールとダイエットを目指しましょう。